FXにおける金銭トラブル

FX取引は、取引業者に口座を開設し、証拠金や投資資金を預け入れることで取引きを行いますが、時にこの預け入れている資金などを巡って取引業者と投資家の間で裁判になるケースもあります。

FX取引は現在ではインターネットなどを用いて取引きを行っていますが、注文が殺到したり、相場の値動きが極端だったりした場合、投資家が行った注文がすぐに確定せず、タイムラグが発生して、その約定が遅れてしまうことがあります。
こうした事を「スリッページ」と呼んでおり、取引業者によってはこのスリッページが少なく約定力が高いことを、顧客への信頼として売り込んでいる所もあります。

こうしたタイムラグが影響し、FXであれば本来は「ロスカット」と呼ばれる、緊急時の顧客の通貨の緊急強制決済が行われるべきタイミングで行われず、結果として損失を被ったとして、損害賠償を求める裁判が何件か起きているのです。

ロスカットは、取引きにおいて通貨を保持している際、その通貨に評価損益の含み損が発生し、その損失額が無限拡大していくことを防ぐため、顧客が取引業者に預けている証拠金内にその損失が収まるよう、予め定められた含み損額になった時点で、顧客の保持している通貨を強制的に決済し、損失の拡大を食い止める仕組みになっています。

判例によると、顧客である原告側は「設定しておいたロスカットのレートになってから、実際にロスカットが行われるまでに約18秒のタイムラグがあったために、その間の為替レートの変化によって大きな損失を被った」として取引業者を相手取り訴えを起こし、東京地裁は、「10秒を超えれば、合理的範囲内とはいえない」と判示した上で、被告である取引業者に対して200万円の支払いを命じました。

これにより、スリッページなどで損失が発生した場合には、「10秒を超えていれば」それは取引業者側の責任になる、という今後の解釈にもなっていくわけで、もし今後も同じような判例が続くような事があれば、現行のFX取引のシステムを根底から見直さなくてはならないような問題に発展していく可能性もあります。

しかしながら、こうしたタイムラグなどの問題に関しては、以前からも投資家などからも声が上がっており、顧客側の利益になる場合はスリッページが発生した際は無効とし、顧客の損失の場合はスリッページが発生した際は有効とするような判定をしているのではないかという不信感もありますので、今後はこうしたスリッページや、約定力に関しても、金融庁からの是正などが働いて健全化がなされていくことが予想さていれます。